柔軟性=ケガ予防?
「怪我をしないために体を柔らかくした方がいい」とよく聞くと思います。
しかし、「柔軟性がある=怪我を防げる」と本当に言い切れるでしょうか?
いくつか研究をご紹介したいと思います。
研究1
Masatoshi Amakoらの研究では、合計901名の軍の新兵を対象にストレッチと怪我の関係を調べました。
介入群ではトレーニングの前後に静的ストレッチを行いました。
その結果、総傷害発生率では、ストレッチを行った群と行わなかった群に有意差はありませんでした。
ただし、筋/腱の怪我と腰痛においてだけはストレッチ介入群で有意に低い結果となりました。
ケガの総数は減らないですが、筋腱の怪我や腰痛には効果的であったということです。
研究2
次にArnasonらの研究では、サッカー選手を対象に柔軟性とハムストリングス肉離れの関係を調べました。
柔軟性プログラムを実施した群としなかった群を比較した際に、ハムストリングス肉離れ発生率に有意差はありませんでした。
他にもエキセントリック収縮のトレーニングを実施する群もありましたが、そちらでは発生率が有意に低かったと報告されています。
こちらは先ほどの研究とは違い、柔軟性を高めてもハムストリングスの肉離れを減らすことはできませんでした。
研究3
最後にLauersenらの研究です。
筋力トレーニング、ストレッチ、固有受容感覚トレーニング
上記の何を導入すると怪我が減るのかを調べています。
合計26610人の参加者を含む25件の試験を分析しています。
結果は、ストレッチを行っていてもケガは減らず、逆に筋力トレーニングを行った人達はスポーツ傷害が1/3未満に減ったとのこと。
まとめ
今回の研究からケガ予防にはストレッチよりもトレーニングの方が有効的と示されています。
限られた時間の中で最高のパフォーマンスを発揮するためにもケガを予防することは重要になります。
ご参考までに。