2022年07月04日
速度を基準としたVBTトレーニング/武庫之荘・整骨院
NEWS セルフエクササイズ トレーニング
速度を基準としたVBTトレーニング
VBT=Velocity Based Training
略すと速さを基準としたトレーニングとなります。
私達が普段行っている重さを基準にするトレーニング方法は、PBT(Percentage Based Training)といい、1RMの〇%を〇回のような方法で重さを基準として負荷を設定しています。(※ 1RMとは、正しいフォームで1回だけ挙げることができる最大重量のこと。)
近年ではPBTよりもVBTの方が良くない?と言われていますが、なぜVBTがいいのか?
また、逆にPBTの何がいけないのか。解説していきます。
PBTの問題点
指摘されてる問題点として
1.1RMは日々変動する
2.1RM測定には危険が伴う
3.1RMの信頼性
4.疲労に対するコントロールが難しい
が挙げられます。
一つずつ解説していきます。
1.1RMは日々変動する。
これは皆さん実感があるのではないでしょうか?
同じ重さであってもある日は10回挙がったけど、別の日には8回しか挙がらなかった。
なんて経験があるかと思います。
要はその日の気分や疲労度、様々な要因によって1RMは変動するということです。
なのでその日その日で適切な重量が変わるので、それに対応できないのが問題点の1つ目です。
2.1RM測定には危険が伴う
ベンチプレスやスクワットやデッドリフトのBIG3と言われる種目は強度が高くなると姿勢が乱れやすいです。
BPで腰を反りすぎた。DLで腰が丸まった。などなど。
1RM測定には怪我のリスクが伴います。
それを頻繫に行うのはかなりハイリスクです。
3.1RMの信頼性
1RMはトレーニング経験値によって信頼性が変わります。
BIG3は単なる筋力だけでなく、経験値も大事になってきます。
トレーニングに慣れていない方は筋力があっても、効率的な挙上方法が分からないため、1RMは低くなりがちです。
さらに1RM測定を行う頻度には限界があります。毎週実施。毎月実施。となると負担がかなり大きくなります。
そのため今行っている重量というのは数ヶ月前の1RM測定を基準にしているわけです。
それでは1RMのその間の変化に対応することができないため、それも問題点の1つというわけです。
4.疲労に対するコントロールが難しい
先ほどの1RMは日々変動するというのと似ています。疲労によって1RMが低下している時にも普段の重量設定でトレーニングを行うため、想定以上に疲労が蓄積してしまいます。
スポーツ選手の場合オフシーズンであればそこまで問題にはなりませんが、インシーズンでの疲労の蓄積は大きな問題となります。
そのためPBTはその日の疲労に対応しにくいトレーニング方法といえます。
VBTの具体的な実施方法
まず速度の測定には専門のデバイスが必要になります。
そして肝心なトレーニング方法ですが、
決められた動作速度が事前に決めた割合もしくは値に達成しなくなったらそのセットは終了。休息をとった後再び設定した速度で次のセットを実施する。というのが主な方法になります。
PBTだと〇kg〇回!だったのがVBTだと〇m/secの速さで持ち上げられなくなったら終了!
なので、オーバーワークを防ぎながらも効率的なトレーニングが期待されます。
要はその速度が維持できなくなったら、本来獲得したい能力を得られないからもうやめましょう。ということです。
速度と力の関係
速度と力の関係を簡単に説明すると
速度が上がるほど力は弱くなり、速度が下がるほど力は強くなる
ということになります。
速度がマイナスになると、エキセントリック収縮といって、より強い力が発揮されます。
そして各速度によって得られる質が変化します。この速度で筋トレするとこのような能力が高められる。ということです。
さらに、速度と力の関係から1RMが推定できることも分かっています。
従来の1RM測定のように最大挙上重量を扱わなくても推定が可能なため、怪我のリスクを抑えながら筋力を評価する方法として有効であると考えられています。
VBTの特徴
VBTの特徴としては、
1.速度で負荷が決まる
2.同じトレーニング目的でも個人により負荷が変わる
3.オーバートレーニングを防止できる
4.1RMを推定可能
5.目標値が明確
6.その場でフィードバックが可能
などが考えられます。
特にすぐその場で速度をフィードバックできるのは個人的には大きな特徴だと考えます。
実際にトレーニング中にアスリートにフィードバックをすることで、速度と出力が最大10%向上することがいくつかの研究で報告されています。
最大の特徴は疲労のコントロール
これは完全個人の見解になりますが、VBTの最大の特徴は疲労のコントロールができる点だと考えます。
PBTの問題点でも述べましたが、PBTだと疲労のコントロールが難しいです。
その日によって100kg10回を軽々挙げられる時もあれば、ギリギリ10回挙げられる時もあります。
同じ10回でも両者には疲労の蓄積という観点で大きな差が生まれます。
その反面、VBTはある一定の速度低下率が見られた時点でそのセットは終了するので、疲労のコントロールがしやすいです。
さらに、オフシーズン・インシーズンで、その速度低下率・閾値を小さく設定することで、より疲労を抑えることも可能です。
試合前のトレーニングでは特に疲労を蓄積させないことも重要になってくるので、VBTはかなり有効的だと思います。
まとめ
今回はVBTトレーニングについて簡単にまとめました。PBTを否定するものではありませんので悪しからず。速度を基準とする考え方もあるよ。という程度のものです。
武庫之荘駅から徒歩3分
くわえ鍼灸整骨院
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