2022年07月04日
砂浜ラン/武庫之荘・整骨院
NEWS トレーニング
砂浜ラン
合宿先が浜辺だったら砂浜ランをやられた事がある方が多いと思います。
砂だと通常の地面で走るよりも反発が得られないのでスピードが出づらくしんどいですよね。
今回は論文研究をもとに、砂浜ランの有効性についてまとめていきます。
Pereiraら(2021)は以下の内容で2020年10月までの研究を収集し、メタ解析(=複数の研究を収集し,いろいろな角度からそれらを統合したり比較したりする最も質の高い根拠のある研究)を行いました。
砂地でのプライオメトリクス(筋肉が短い時間間隔で最大の力を発揮するエクササイズ)、スプリントトレーニングはジャンプ力、スプリントスピードに対して大きな効果を示し、なんと砂地でのトレーニング効果と普通の地面でのトレーニング効果の比較では、砂地でのトレーニングのほうがスプリントスピードに対する効果が大きかったことが示されました。
Pinningtonら(2005)の研究では、木製の地面と、砂地でのランニングを同じ速度で行わせたときのキネマティクス(動作)とEMG(筋電図)の違いを測定しています。
その結果、砂地でのランニングでは ・ストライドが短くなり、ピッチ(一定間隔で繰り返して行ったりする場合の速度・回数)が増加した ・下肢のEMGが大きくなった ことが示されました。
EMGが大きかったことから、筋がより能動的に力発揮をしていた可能性が推察されます。簡単に言うと、砂地では進みづらいぶん筋肉が頑張らなきゃいけないということです。
まとめ
一方で、メタアナリシスの著者らは「砂地、通常の固い地面のどちらが良いかを議論するよりも、違いを理解して使分けることが大事」と述べています。
砂地でのランニングは進みづらい分筋活動の増加が期待出来る一方で、地面から反発をもらうテクニック、SSC能力の獲得は、やはり通常の地面でのトレーニングの方が最適です。
ただ砂地にはもう1つ『接地の衝撃を分散できる』という特徴もあるので、関節の負荷が少ないとも考えられます。
そういった意味では、負荷量が過剰になりがちな合宿においては砂地を活用しスプリントスピード向上の効果も見込め、オーバーユース系の怪我のリスクを抑えられ利点が沢山あります。
是非お試しを。
参考文献
1. Pereira, LA, Freitas, TT, Marín-Cascales, E, Bishop, C, McGuigan, MR, and Loturco, I. Effects of Training on Sand or Hard Surfaces on Sprint and Jump Performance of Team-Sport Players: A Systematic Review With Meta-Analysis. Strength Cond J 43: 56–66, 2021.
2. Pinnington, HC, Lloyd, DG, Besier, TF, and Dawson, B. Kinematic and electromyography analysis of submaximal differences running on a firm surface compared with soft, dry sand. Eur J Appl Physiol 94: 242–253, 2005.
合宿先が浜辺だったら砂浜ランをやられた事がある方が多いと思います。
砂だと通常の地面で走るよりも反発が得られないのでスピードが出づらくしんどいですよね。
今回は論文研究をもとに、砂浜ランの有効性についてまとめていきます。
Pereiraら(2021)は以下の内容で2020年10月までの研究を収集し、メタ解析(=複数の研究を収集し,いろいろな角度からそれらを統合したり比較したりする最も質の高い根拠のある研究)を行いました。
砂地でのプライオメトリクス(筋肉が短い時間間隔で最大の力を発揮するエクササイズ)、スプリントトレーニングはジャンプ力、スプリントスピードに対して大きな効果を示し、なんと砂地でのトレーニング効果と普通の地面でのトレーニング効果の比較では、砂地でのトレーニングのほうがスプリントスピードに対する効果が大きかったことが示されました。
Pinningtonら(2005)の研究では、木製の地面と、砂地でのランニングを同じ速度で行わせたときのキネマティクス(動作)とEMG(筋電図)の違いを測定しています。
その結果、砂地でのランニングでは ・ストライドが短くなり、ピッチ(一定間隔で繰り返して行ったりする場合の速度・回数)が増加した ・下肢のEMGが大きくなった ことが示されました。
EMGが大きかったことから、筋がより能動的に力発揮をしていた可能性が推察されます。簡単に言うと、砂地では進みづらいぶん筋肉が頑張らなきゃいけないということです。
まとめ
一方で、メタアナリシスの著者らは「砂地、通常の固い地面のどちらが良いかを議論するよりも、違いを理解して使分けることが大事」と述べています。
砂地でのランニングは進みづらい分筋活動の増加が期待出来る一方で、地面から反発をもらうテクニック、SSC能力の獲得は、やはり通常の地面でのトレーニングの方が最適です。
ただ砂地にはもう1つ『接地の衝撃を分散できる』という特徴もあるので、関節の負荷が少ないとも考えられます。
そういった意味では、負荷量が過剰になりがちな合宿においては砂地を活用しスプリントスピード向上の効果も見込め、オーバーユース系の怪我のリスクを抑えられ利点が沢山あります。
是非お試しを。
参考文献
1. Pereira, LA, Freitas, TT, Marín-Cascales, E, Bishop, C, McGuigan, MR, and Loturco, I. Effects of Training on Sand or Hard Surfaces on Sprint and Jump Performance of Team-Sport Players: A Systematic Review With Meta-Analysis. Strength Cond J 43: 56–66, 2021.
2. Pinnington, HC, Lloyd, DG, Besier, TF, and Dawson, B. Kinematic and electromyography analysis of submaximal differences running on a firm surface compared with soft, dry sand. Eur J Appl Physiol 94: 242–253, 2005.
ARCHIVE
- 2024年10月
- 2024年9月
- 2024年8月
- 2024年7月
- 2024年6月
- 2024年5月
- 2024年4月
- 2024年3月
- 2024年2月
- 2024年1月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年9月
- 2023年8月
- 2023年7月
- 2023年6月
- 2023年5月
- 2023年4月
- 2023年3月
- 2023年2月
- 2023年1月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年9月
- 2022年8月
- 2022年7月
- 2022年6月
- 2022年5月
- 2022年3月
- 2022年2月
- 2022年1月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年9月
- 2021年8月
- 2021年7月
- 2021年6月
- 2021年5月
- 2021年4月
- 2021年3月
- 2021年2月
- 2021年1月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年7月
- 2020年6月
- 2020年5月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2020年2月
- 2020年1月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年9月
- 2019年8月
- 2019年7月
- 2019年6月
- 2019年4月
- 2019年2月
- 2019年1月
- 2018年12月